アレルギー治療について
治療について
治療の基本は以下になります。
- アレルゲン暴露の回避
- 抗ヒスタミン薬の服用
薬剤治療のベースになるのが、「抗ヒスタミン薬」。ヒスタミンの働きをブロックし、くしゃみや鼻水、鼻づまり・皮膚の痒み・喉のかゆみといった症状を抑えてくれます。これまでは「花粉症などの抗ヒスタミン薬は眠くなる」と言われがちでしたが、眠気などの副作用が軽減された「第2世代抗ヒスタミン薬」が登場し、こちらが主流になりました。当クリニックでは患者さんのライフスタイルにあった抗ヒスタミン薬の選択を患者さんと共に話し合って行い、鼻洗浄指導、点鼻薬や点眼薬の処方を行います。
・抗ヒスタミン薬の種類と各々の特徴
・点鼻薬: アレルギー性鼻炎、花粉症においてすべての重症度で副腎皮質ステロイドの点鼻薬が推奨されています。
・点眼薬:抗ヒスタミン薬、ステロイド薬が中心になります。

・ヒスタグロビン皮下注射:アレルギー性鼻炎・血管運動性鼻炎・アレルギー性皮膚疾患に保険適応
体内では花粉などのアレルギー物質・抗原が侵入すると、それに反応してIgE抗体が作られます。再び花粉が体内に抗原としてが侵入すると、IgE抗体がすばやく抗原と結びつき抗原の活動を抑え込みます。その際、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。このヒスタミンが、くしゃみ・鼻づまり・鼻水・目のかゆみの原因となります。
ヒスタミンを標的とした治療がヒスタグロビン注射療法です。 ヒスタグロビン定期的に注射することにより、このアレルギー反応の元になるヒスタミンの過剰な発現が抑制され、好酸球浸潤も抑制されます。
ヒスタグロビンは、ヒスタミンと免疫グロブリンを合わせた1967年に国内で発売された安全性の高い治療薬であり、花粉症の症状だけでなく、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、スギ花粉やダニ・ハウスダストなど、さまざまなアレルギー症状の改善に効果が期待できます。有効率は50〜70%と言われています。また、ステロイド注射とは違い副作用が極めて少ないこともポイントです。
ヒスタグロビンによる治療は「非特異的減感作療法」とも言われ、特定のアレルギー原因物質(スギ花粉など)に対して感受性を低下させる「特異的減感作療法」とは異なり、アレルギーの原因に関係なく、アレルギー体質を改善する効果が期待できます。
注射の効果は投与開始後、約4週間程度の期間を要するため理想的には花粉症の場合、飛散する1か月前の投与が理想とされています。
通常1回1バイアルを成人では週1〜2回、小児では週1回の間隔で3回又は6回注射し1クールとします。
合計3〜6回の接種を1クールとし、効果が得られなかった場合は追加でもう1クールの接種が可能です。追加摂取時は増量も可能ですので、効果を感じなかった場合は医師にご相談ください。
ヒスタグロビン注射は公的医療保険が適用されるため、1〜3割負担での治療が可能です。3割負担の場合、初診で1,200円程度、再診の場合は500円~600円程度です。
基本的には6回で1クールの接種となるため、治療にかかる費用は合計4,000円程度になります。
ヒスタグロビン注射薬は、献血などから抽出した免疫グロブリンを使って製造される生物製剤です。注射後は少なくとも3か月は献血ができなくなります。
定期的に献血をしている方は事前に医師へ相談しましょう。なお、ヒスタグロビンの投与効果はそのシーズン限りとなります。
・抗IgE抗体療法:ゾレア皮下注射
スギ花粉が鼻の粘膜や喉の粘膜に付着すると、体の免疫防御システムは「IgE」という免疫グロブリンを作ることでスギ花粉を排除しようとします。このIgEにスギ花粉が結合することでヒスタミンという生理活性物質が大量に放出されてしまいます。このヒスタミンが神経や分泌物を出す鼻腺、血管などにあるヒスタミン受容体に結合し、くしゃみ、鼻汁、鼻づまりなどをひきおこします。花粉症の方には体にこのIgEが多く存在しています。そのため、花粉症のシーズンになると大量に飛散されたスギ花粉がこのIgEと結合し、くしゃみ、鼻汁、鼻づまり、目の痒みなどをひきおこします。「ゾレア®」はこのIgEをブロックすることで過剰なくしゃみ、鼻汁、鼻づまりなどを抑制する効果が期待できる治療薬です。2020年より、重症・最重症のスギ花粉症に対して、2月~5月に抗IgE抗体オマリズマブ(ゾレア®)を皮下注射する治療(保険適応)を行うことができるようになりました。
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花粉症発症 (上記イラストはノバルティスファーマホームページより引用)
適応などについて
①対象は12歳以上で、4週間ごと(又は2週間ごと)に注射します(2-5月に行います)。
②今シーズン、従来の治療法(抗ヒスタミン薬など)で1週間以上治療し、コントロール不良な方が対象となります。
③治療の前に、総IgE値とスギ特異的IgE値を測定する必要があります。(直近の総IgE値と体重で投与量が決まります。総IgE値が異常高値の場合や、スギ特異的IgE値がClass 2以下の場合は適応となりません)
④費用はゾレア®︎の薬剤費のみで1か月あたり、3割負担の方で約4444円〜69953円かかります(投与量・回数によって金額が変わります)。その他、受診、検査にかかる費用、同時に服用し続ける必要のある抗ヒスタミン薬の処方費がかかります。自己負担が高額になる方は限度額適用認定証を申請し、年収に応じた医療費の助成を受けることをお勧めします。
ゾレア投与の流れ
⑤効果はそのシーズン限りとなります。
ゾレアの投与量は体重と総IgE濃度によって規定されています。以下がその概要と概ねの治療費の詳細です。
・スギ花粉症・ダニ・ハウスダウトによるアレルギーの方への舌下免疫療法
→ 唯一の根本治療になりうる治療法であり、長期的な治療(最低2年継続が必要)を要しますが。有効性は高く当クリニックでは多数の方が行っております。約8割の方がアレルギー症状の軽減または消失効果を示しております。スギ花粉の治療は6月以降、ダニ・ハウスダストの治療は1年中いつでも治療を開始することができます。
